今日の出来事などを

甘い記憶の終着駅 ― 母へ贈る「おいしい」の言葉

線路わきの笹、母の手、妹の笑顔、弟の無邪気な声。どれも鮮明に浮かぶ。あの頃、我が家は裕福ではなかった。けれど、足りないと感じたことはない。笹の葉一枚で、団子がごちそうに変わる。母の工夫は魔法のようだった。私は団子をほおばりながら、ただ「うま...
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不便という名の、あたたかな贈り物

台所いっぱいに広がる湯気。昭和の家は広くはなかったが、蒸し器から立ちのぼる湯気で、さらに狭く感じた。それでも、そこには幸せが詰まっていた。母の手は早い。団子をのばし、餡を包み、笹で挟む。無駄のない動き。私はその横でじっと見ていた。「ちゃんと...
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守る人がいるという、甘い誇り

小学5年生の私は、長男というだけで、どこか偉くなった気がしていた。線路わきに笹を取りに行く日、私は「みんな、ついてこい」と言わんばかりに先頭を歩いた。妹は石を蹴りながら、弟は私の後ろをちょこちょことついてくる。母は少し後ろから見守っていた。...
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笹の葉の青い匂いと、母の丸い背中

昭和のあの頃、我が家のおやつは、買ってくるものではなく「作るもの」だった。今日は、ふと笹の葉の青い匂いを思い出した。母と、私(小学5年生)、小学2年生の妹、6歳の弟。4人で家を出て、近くの線路わきまで歩いて行った。電車が通ると、地面がかすか...
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あの日笑い転げた私が、今日の私を照らしている。

一番の宝物は何かと聞かれたら、私は迷わず答える。「友達との笑い声」だと。理由なんてなかった。ただ一緒にいるだけで楽しかった。教室の後ろでこっそり笑いをこらえたこと。廊下を全力で走って先生に叱られたこと。放課後、ランドセルを放り出して遊びに飛...
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神社の石段と、人を信じる力。

昭和の町は静かで、そして温かかった。駄菓子屋のおばちゃんは、私たちの名前を覚えていた。「今日は何買うんだい?」たったそれだけで、嬉しかった。家と学校の間にある商店、空き地、小さな神社。どこへ行っても、知っている顔があった。叱られることもあっ...
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膝のすり傷と、無敵の放課後。

授業中は静かに座っていたのに、休み時間になるとどうしてあんなに体が軽くなったのだろう。机をガタガタと動かしながら、「次なにする?」と顔を寄せ合う。計画なんてない。けれど、それがよかった。校庭は固く踏み固められた土。転べば膝をすりむいた。でも...
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あの日の空と、今日の私

家を出ると、もうそこは遊び場だった。通学路はただの道ではなく、冒険の始まりだった。石ころひとつにも物語があり、空き地の草むらには秘密基地の候補地が眠っていた。学校へ向かう途中で、必ず誰かと合流する。「おはよう!」と声をかけると、ランドセルが...