今日の出来事などを

あの戸を開けた朝

夜、湯のみを手にしながら今日一日を振り返る。心に残っているのは、やはり今朝の駄菓子屋の姿だ。まだ開いていないガラス戸。人の気配のない静かな店先。それなのに、私の心の中では、何度もあの戸を開けていた。小さな手で引き戸をつかみ、ガラガラと音を立...
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十円玉の重み

昼ごろになれば、あの駄菓子屋のガラス戸は開き、子どもたちが次々と中へ入っていくのだろう。ポケットの中で小銭を握りしめながら、少し緊張した顔で。駄菓子屋は、子どもにとって初めての「自分の世界」だった。親の手を離れ、自分で選び、自分で払う。十円...
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ガラガラ戸の記憶

配達を終えた帰り道、もう一度あの駄菓子屋の前を通った。朝日は昇っていたが、まだ開店前。木枠のガラス戸はぴたりと閉じられ、店の中は薄暗いままだった。あの戸を開けるときの「ガラガラ」という音が、私は好きだった。子どもながらに「お店に入る」という...
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曇りガラスの向こう側

まだ夜明け前の薄暗い道を、新聞配達のために自転車で走らせていると、角にある小さな駄菓子屋の前を通った。昭和の頃から変わらぬその店は、木枠のガラス戸を閉めたまま、静かに朝を待っている。開店は朝十一時ごろ。今はまだ、店も眠っている時間だ。ガラス...
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ゆっくり進む、確かな道

リハビリの時間は、決して楽ではない。思うように動かない足に、もどかしさを感じる日もある。それでも続けていると、ほんのわずかな変化に気づくことがある。昨日より長く立てた。今日は一歩が少し安定した。そんな小さな出来事が、心に灯りをともす。若い頃...
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家族の記憶がくれる力

午後の静かな時間、家族のことを思い出す。三歳下の妹、六歳下の弟。長男として過ごした日々は、私の心の土台になっている。小さい頃、転んで泣いていた弟の手を引いたこと。妹が困っているとき、さりげなく助けたこと。そんな何気ない出来事が、今の私の中に...
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思い出の通学路と、いまの私

椅子に座って休みながら、ふと昔の通学路を思い出した。途中で友だちの家に寄り、二人で並んで歩いた朝。商店街のにぎわい、大きな踏切、広い校庭。あの頃の私は、歩けることを当たり前だと思っていた。でも今は違う。歩くということが、どれほどありがたいこ...
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窓辺の光と、はじまりの一歩

二月の朝の光はやわらかく、カーテン越しに部屋を静かに照らしていた。すぐには動けないけれど、今は「体と相談しながら始める朝」が私の新しい日常になっている。焦らず、無理をせず、それでも少しずつ前へ進む。そんな気持ちで一日を始めるようになった。ベ...