今日の出来事などを

「見ていてくれる人」がいた、あの校庭。

昭和の校庭。赤白帽子、砂煙、応援の声。あの日の情景は、今でも鮮明だ。小学三年生の私は、ただ必死に走り、ただ必死に喜び、少し悔しがっていた。あの経験があったから、私は「完璧でなくてもいい」と思えるようになったのかもしれない。三位という順位は、...
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鉛筆が教えてくれた「三位」の輝き

もらった鉛筆は、すぐには使わなかった。机の引き出しの奥にしまい、時々取り出しては眺めた。金色の文字を指でなぞるたびに、あの日のスタートラインが蘇った。やがて、私はその鉛筆で初めて作文を書いた。「運動会の思い出」という題だった気がする。ぎこち...
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静かな決意。負けることは、はじまりだった。

百メートル走が終わった後、私はしばらく校庭の隅に座っていた。砂ぼこりが舞い、遠くで応援の声が続いている。胸はまだドキドキしていた。正直に言えば、一位になりたかった。ゴールした瞬間、前を走る二人の背中を見て、心の奥がチクリと痛んだ。「もう少し...
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あの秋の青空、三位の鉛筆と、ほんの少しの誇り。

昭和の秋は、空がやけに高かった。小学三年生だったあの年の運動会も、雲ひとつない青空の下で行われた。校庭の土は乾いていて、白線は石灰の匂いをふわりと漂わせていた。胸に付けたゼッケンは、母が前の晩に縫い直してくれたもので、少し糸が曲がっているの...
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帰り道の夕焼けと、未来への約束

ランドセルを背負い、友達と並んで帰った土の道。寄り道ばかりして、なかなか家に着かなかった。ザリガニを探した川。駄菓子屋で10円を握りしめた緊張感。将来の夢を語り合った日もあった。「野球選手になる」「社長になる」「宇宙に行く」大きな夢を、真顔...
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木造校舎の廊下に響いた足音

木造校舎は冬になると冷え込んだ。廊下はギシギシと音を立てる。ストーブの周りに集まり、手をかざした。石炭の匂いが教室に漂っていた。放課後の教室は、どこか特別だった。夕日が差し込み、机の影が長く伸びる。「また明日な」その何気ない一言が、こんなに...
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給食の時間は、小さな幸せの集まり

アルミの食器。大きな鍋からよそうシチュー。そして脱脂粉乳。正直に言えば、脱脂粉乳は好きではなかった。でも、それすらも懐かしい。給食当番になると、少し誇らしかった。白い帽子をかぶり、「ちゃんと並んで!」なんて言っていた。パンをじゃんけんで争奪...
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砂ぼこりの校庭と、世界一の一輪車

昭和36年。校庭は今のように整備されておらず、風が吹けば砂ぼこりが舞い、運動靴はすぐに茶色くなった。それでも、私たちにとってあの場所は宇宙のように広く、自由そのものだった。チャイムが鳴れば一斉に外へ飛び出し、ドッジボールや鬼ごっこに夢中にな...