からだも日々酸素によって錆びている
普通、錆びというと一番先に浮かぶのは、古くなった鉄くぎなどの表面が赤くガサガサになる赤サビです。
これは、鉄が空気中や水中の酸素と反応し、鉄の表面が赤サビという物質に変化(酸化)します。
錆びるとは、細胞レベルでの活性酸素で、細胞が、酸化することを意味します。
私たちの体は約60兆個もの細胞で出来ているといわれていますが、
この細胞のひとつひとつが酸素に侵されることです。
皮膚や内臓のあらゆる器官、そして血液や骨も、体全体にどこでも酸化します。
夏のに日、肌を小麦色に焼いた人は、健康そうに見えますが、これは強い紫外線によって
肌が日焼けし、メラニン色素が肌に蓄積された状態です。
そして、このメラニン色素が、しみやそばかすの原因となります。
日焼け跡のしみやそばかすは、皮膚が紫外線と闘った傷痕です。
年を取ると肌にしみができます
これは、老人斑といって、細胞が酸素によって酸化された跡です。
肌を酸化させるのは、正確に普通の酸素ではなく、
酸素から発生した活性酸素という人体に毒性のある物質です。
そして、日焼けは紫外線による皮膚の炎症なので、
紫外線のエネルギーが細胞内から活性酸素を発生します。
活性酸素が細胞に働きかけてできる、
しみは年を取るに連れて、肌だけではなく、細胞ならどこでも生じます。
心臓の筋肉や脳の細胞も活性酸素にアタックされて、しみができます。
私たちの体のあらゆる細胞や脂肪などは、すべて活性酸素によって酸化されます。
リンゴを切って、そのまま空気中に放置していると、その切り口が赤色に変色するのが、
空気中の酸素で酸化されるからです。
しかし、リンゴを切ってすぐに塩水に付けて置くと、赤色に変色することを防ぐことが出来るのは、
りんごの細胞が酸素と結びつく前に、先に食塩(塩化ナトリウム)と結びついて、酸化を防いでいます。
酸化とは、ある物質が酸素と化合するが、水素を失うこといい、
ある物質が電子を奪われる現象を酸化と最近ではいいます。
酸化の反対の現象を、還元(酸素をもらうこと)をいいます。
小じわも老化の始まり
鳥の足跡、といわれている目尻の小じわも、肌のサビが原因です。
紫外線を繰り返し浴びていると、皮膚が老化して、次第に小じわが刻まれていきます。
これは、皮膚のコラーゲンというたんぱく質や皮膚の弾力性を保っている、
エラスチンという線維組織が酸化された結果です。
長い間、屋外で仕事をしている人は、
首の後ろがに日焼けてしわが寄っているのはそのためです。
ウイルスなどによる、感染症を除いて、病気の実に9割までが細胞の酸化が
真の原因とされており、この酸化を引き起こす犯人が活性酸素。
人は血管で老化するとは
誰でも、いつまでも若々しくありたいと願いますが、確実に老化していきます。
人は年齢で老化するのではなく、血管で老化する、さえいわれています。
これは、同じ年齢の人でも、医学的に見てその人の老化程度が実年齢よりも
若い人と若くない人がいるためで、単に年齢を重ねたからといって、
皆さん同じように肉体に年を取るのではなく、老人でも血管が若々しい人もいれば、
逆に年齢は若くても血管がもう、老化している人もいます。
加齢と老化は別のもの、といいます。
人の老化とは
一般的に老化とは、人が成長して、年齢を重ねるに連れてある時点から、
身体条件が徐々に悪くなり、やがて好ましい身体状態を維持することが難しくなることをいいます。
老化の速度は、人によってさまざまですが、これは生まれ持った身体的な条件によりも、
その人の生活条件や社会条件によって大きく左右されます。
そして確実にいえることは、病的な状態を除いて、老化は急激に起こらないこと、
そしていったん老化したらその状態は元に戻らない、若返ることはないということです。