皮膚の仕組み
表皮、真皮、皮下組織の三層
肌のケア、健康な肌を作るために食事など生活習慣を見直すことも必要で、
肌は体を外部の刺激から守るバリアです。
皮膚は表面から順に、表皮(0.2〜0.3mm)、真皮(表皮の約10倍の厚み)、
皮下組織の三つの層からできています。
表皮は主に、紫外線や細菌など、外部の刺激から肌を守る働きをします。
真皮は、皮膚の95%を占める皮膚の本体で、血管、リンパ管、神経、
毛根、皮脂腺、汗腺などが集まり、皮膚の健康を保つ働きをしています。
皮下組織は、脂肪を貯え、エネルギーを作り出すとともに、保温の役割を果たします。
肌に弾力を与えて若々しさを作る真皮
三層の中でも神秘は、皮膚の弾力に大きくかかわり、この弾力のある、なしを決めるのが、
化粧品などの成分コラーゲン(膠原線維の主成分)です。
真皮は、多量のコラーゲンと少量のエラスチン(弾力線維)が網目状に絡み合ってできています。
そして、その間をヒアルロン酸などを成分とするゼリー状の基質がうめ、
皮膚のはりを作り出すクッションのような仕組みになっています。
コラーゲンが衰え、神秘の水分が減ってくると、表皮と真皮の間にある
山形の乳頭層が平らになり、肌の弾力が失われていきます。
コラーゲン(膠原線維の主成分)
真皮の90%もの大部分を構成している線維状のたんぱく質。
膠質(ゼラチン状)の性質があり、たっぷり水分を保有していた皮膚のはりを与えています。
エラスチン(弾力線維の主成分)
真皮層を構成している線維状の成分で、たんぱく質の一種。
比較的細かく短い、弾力のある線維から成り立っているため、弾力線維と呼ばれています。
ヒアルロン酸(基質の主成分)
ヒアルロン酸1gで水分6リットルを抱え込む、優れた保湿機能を持つゼリー状の組織。
赤ちゃんの肌がしっかりして弾力があるのは、このヒアルロン酸がたっぷりあります。
肌は約28周期で新陳代謝を繰り返す
表皮は絶えず生まれ変わりながら、肌の内部を保護します。
表皮は4つの層で構成
皮膚の外側にある表皮は、角質層、顆粒層、有棘層(ゆうきょくそう)、基底層の4層で構成されています。
手の平や足の裏など角質層の間に透明層という細胞構造のない部分が存在し、
5層になっているところもあります。
角質層
目で見て直接触れる部分、角質層の表面では、汗と皮脂が絶えず分泌され、
皮脂膜という弱酸性の天然のクリームを作り、細菌の繁殖や水分の蒸発を防いでいます。
また、細胞と細胞の間はセラミドという脂質で埋められ、これも、水分を保ち、皮膚を保護する働きをします。
顆粒層
顆粒細胞の層。光を屈折させて、紫外線から皮膚を守ります。
有棘層
4層の中でもっとも厚い層。細胞と細胞の間に、皮膚に栄養を与えるリンパ球が流れています。
基底層
表皮の一番下にあり、細胞分裂を繰り返しながら次々に表皮細胞を生み出しています。
細胞間にはメラノサイトという色素細胞があり、
紫外線などから他の細胞を守るために、メラニン色素が作られます。
表皮の構造
肌といえば、表皮を指すことが多く、肌のトラブルを防ぐうえで重要な組織です。
表皮は水分を保ち、また外部の刺激から体を守るのが大きな役割です。
メラニン色素は、人の体に外をもたらす紫外線が
体の内部に達する前に吸収し、体を守る役割をする色素です。
通常はターンオーバーによって角質となって排出されますが、
たくさん作られ過ぎると残留し、しみの原因となります。
セラミドは、角質層の細胞と細胞の間を埋める細胞間脂質の41%を占めています。
分子が特殊な層状構造を作ってその間に水分をはさみ込み、保湿効果を高めています。
ターンオーバーの仕組み
ターンオーバーとは、新陳代謝=表皮の生まれ変わるサイクルのことです。
通常28日間周期で表皮は生まれ変わりますが、
皮膚のトラブルや加齢によってリズムが変化することもあります。
ターンオーバーが周期的に行われることによって、肌の健康が保たれています。
表皮の一番下、基底層で生まれた細胞は、少しずつ形を変えながら徐々に押し上げられていきます。
細胞は約2週間で角質層に達します。
さらに約2週間後、細胞は角質となって剥がれ落ちていきます。
基底層では、新しい細胞が次々に作られていきます。