
これは、ホルモンの分泌によるもので、男性はホルモンの分泌に周期性は無く、これによる眠りへの影響は見られません。
女性は思春期を迎え、初潮を迎える頃をきっかけに、眠りの変化が始まります。
これにも個人差はありますが、月経の周期は一般約28日。
強いうつ症状、不安感、怒りの感情、中には自傷行為を行う人もいるといいます。
しかし、生理が始まると治まり、普段は特に問題なく生活するのが特徴です。
PMDDの正確な原因と明確な治療法はまだハッキリしていませんが、PMDD患者には、眠りと関係するホルモンにある特徴が見られるという報告があります。
夜、プロラクチンの分泌が盛んになり、甲状腺を刺激するホルモンの分泌がサーカディアンリズムと一致する。
さらに強い光を浴びてもメラトニンの分泌があまり増えないため、PMDDが体内時計そのものに影響を与えている可能性があるといいます。
PMDDの諸症状が時差ぼけのひどい状態と似ているのも単なる偶然でしょうか?
月経以外でも、女性の眠りに影響を与えるのが、妊娠や閉経による女性特有の身体に変化。
例えば、女性は妊娠すると、眠りが変化します。
妊娠直後には、黄体ホルモンによって猛烈な眠気に襲われ、昼間でも眠くて堪らないといった状態になります。
妊娠後期には、ホルモン分泌が変化するほかにも、横になる姿勢が楽でなかったり、夜中にトイレに行く回数が増えたりと、逆に不眠を訴える女性が多いのです。
また、出産後赤ちゃんの断続的な眠りに合わせて世話をしなければならず、睡眠リズムの乱れた生活がしばらく続きます。
更年期障害が起こってきます。
閉経の前後数年間を更年期といい、その時期に身体の変化に対応できないで、自律神経が乱れると、さまざまな辛い障害が起こります。
顔が火照る、汗をかきやすくなる、息切れ、動悸が起こる、起こりやすくなる、肩凝り、腰痛、肌荒れなど多くの症状があります。
睡眠についてみても、寝付きが悪くなったり、夜中に激しいほてりに襲われて眠れなくなったりと、不眠に悩む更年期の女性が多くいます。
ホルモン代替療法が用いられることで、一旦改善されることはありますが、ホルモンが一生を通じて周期的に分泌している女性の身体は、睡眠に対しても敏感に反応するといえます。
一般に不眠を訴えるのは男性よりも女性の方が多いのですが、その理由はこうしたことと関係していると専門家は言っているのです。
それまで以上に、規則正しい日常生活に送る、栄養バランスの取れた食事と適度な運動を心がけるなど、取るべき対策はいろいろあります。
しかし、「女性の身体特有の仕組みだから仕方がない、ゆったり構えよう」というくらいの余裕を持っていたほうが良いです。
男性にはなかなか理解しにくいかもしれませんが、パートナーや家族がどのような周期にいるかが、注意して見て下さい。