
しかし、4週間目を迎えると、平均睡眠時間が8時間15分に落ち付き、長い人で9時間、短い人で7.5時間。
このことからも、人間の身体が1日に必要としている眠りは8時間前後であると分かったようです。
しかし、この実験で分かったもう一つ重要なことは、睡眠を効率よく取るためには、多少の疲れやストレスが必要だということ。
被験者達が寝付くまでの時間は長くなり、さらには途中で目覚めたまま4時間以上も眠ることが出来ない人も居たそうです。
良い眠りを得るためには、時間にだけ気を配ることではなく、睡眠の深さが重要!
1つは、1日単位の体内時計に管理されるサーカディアンリズムによる調節。
2つ目は、前日以前の睡眠時間によって、睡眠の質と量が決定されるというもの。
これを「ホタオスタシス性の調節方式」。
この2つは互いに関係しあっていますが、生体が進化する過程で別々に獲得し、それぞれの作用は独立しています。
しかし、後者がより融通性・適応性に飛んでいます。
眠気は時刻とともに変化し、体内時計から見れば、休息の時間帯(主による)の方が、活動の時間帯(主に昼)よりも眠るのに都合が良い。
また、人間には約半日周期のリズムや、さらに短い周期(約90分)の超日リズム現象もあります。
注意することは、人間の体内時計の1日は、24.6時間という事実。
そのため、24時間という1日の昼夜リズムとズレが生じるため、修正しなければいけない。
昼夜のリズムや社会的な時間が親時計の役割を果たし、無意識のうちに微調整が図られ、体内時計をリセットしている。
だがしかし、活動と休息のリズムが不規則になり、外界のリズムが体内時計をリセットしにくくなると、昼夜のリズムや社会的時間と身体が同調できなくなります。
そうなると、昼間に耐え難い眠気に襲われることに。
寝不足だからといって不規則に寝起きするより、生活のリズムを乱さないために、起きる時間を一定にした方が良いです。
脳は前日以前の睡眠時間を元に、今日以降の眠りの質と量を決めます。
起きていた時間が長いほど、眠りたい欲求は大きくなり、前日以前の睡眠の不足量に応じて、質的にも睡眠は大きく変化します。
連続して起きていた時間が長いほど、眠りはその分だけ深くなります。
この事実は人間の身体に一定内容の睡眠が必須のものとして組み込まれていることを示します。
つまり、深い睡眠を得るためには、多少の疲れや寝不足があった方がよく、毎日8時間眠らなければと、思う必要はないのです。