子宮筋腫で恐い貧血
鉄は、赤血球のなかのヘモグロビンの成分で、呼吸で取り込まれた酸素と結びつき、体のすみずむまで酸素を届ける役目を果たしています。
その鉄が不足すると酸素が十分に行き渡らなくなり、体は酸欠状態を起こします。
1日に摂取しなくてはいけない、鉄の量は、成人女性で10.5mgです。
この量は男性よりも多くなっています。
その理由は、女性は1回の月経ごとに約20mgの鉄を失っていると考えられているからです。
ふつうの量の月経さえ、それだけの鉄が失われているわけです。
病菌では鉄欠乏性貧血の治療のために、鉄剤と鉄の吸収を高めるビタミンCを処方します。
それとともに、食事からも積極的に、鉄、ビタミンCを補う必要があります。
貧血を予防するためには、ヘム鉄の多い食品を摂る、非ヘム鉄はビタミンCと組み合わせて摂る、たんぱく質を一緒に摂る。
ヘム鉄の多い食品
食品の含まれる鉄には、吸収率のよいヘム鉄と、そのままの形では吸収されにくいため、吸収率がよくない非ヘム鉄があります。
両方の吸収率を比較すると、ヘム鉄では吸収率が20〜30%に対して、非ヘム鉄では、少ない2〜5%と大きな差が見られます。
ヘム鉄は、動物性食品に含まれています。
その中でも、ヘム鉄の含有量が優れているのは、あさり、干しエビ、レバー類です。
レバ刺し、レバニラ炒めなどの料理で、積極に食べましょう。
非ヘム鉄はビタミンCと組み合わせて
動物性食品に含まれるヘム鉄に対し、植物性食品に含まれるのが、非ヘム鉄です。
ヘム鉄が大事だからといって、肉や魚ばかりを食べていては、栄養バランスが偏り、カロリー過多になる心配もあります。
ヘム鉄ばかりではなく、非ヘム鉄を食品も忘れず、吸収率も悪いので、ヘム鉄以上に量をたっぷり摂るようにしてください。
ポイントとしては、ビタミンCと組み合わせて摂ることです。
そうすることで、非ヘム鉄の吸収率がぐんと上がります。
非ヘム鉄には、ビタミンCが豊富な野菜に多く含まれています。
野菜をたっぷり食べることで、非ヘム鉄だけでなく、ビタミンCの摂取にもつながり、非ヘム鉄の吸収を高めることにもつながります。
非ヘム鉄を多く含まれている野菜類には、パセリ、つまみ菜、大根の葉、菜の花、小松菜、ほうれん草、枝豆、サラダ菜、水菜など。
大豆加工品にも非ヘム鉄がたくさん含まれています。
たんぱく質も大切
貧血予防には、鉄の摂取が必要不可欠ですが、たんぱく質も摂ることも大切です。
たんぱく質が不足すると、ヘモグロビンを運ぶ赤血球が作られにくくなります。
たんぱく質には、肉や魚などの動物性たんぱく質と豆や豆製品の植物性たんぱく質があります。
どれも大切な成分ですので、バランスよく摂るようにしてください。
鉄の吸収を高める
調理には、鉄鍋や鉄製のフライパンを使うことで、調理器具の鉄が少しずつ溶け出して、知らないうちに鉄を摂取できます。
トマトや酢のような酸味を加えた煮込み料理などがいいです。
酸味のある料理には、レモンやゆずなどの柑橘類や梅干、酢などを使うと、胃酸が十分に分泌されます。
胃酸は鉄の吸収率を高めます。
コーヒーや紅茶、緑茶などに含まれるタンニンや、玄米に含まれる、フィチン酸などの成分は、鉄の吸収を抑制します。
コーヒー、紅茶、緑茶、玄米茶は飲むタイミングに注意して、食事と一緒にお茶を飲むことは、控えた方がいいです。